虚空蔵菩薩とは？その特徴とご利益は？

虚空蔵菩薩は梵名をガガナガンジャまたはアーカーシャガルバとも言われる菩薩の1つです。
古来から知恵の神様として知られており、日本全国のさまざまなお寺に祀られています。
そんな、虚空蔵菩薩の特徴やご利益について、詳しく解説していきます。

虚空蔵菩薩の特徴

まず、虚空蔵菩薩の特徴について見ていきましょう。
もともと、虚空蔵菩薩と地蔵菩薩は対になっているのが一般的です。
ただ、その後地蔵菩薩と対で祀られることはほとんど無くなりました。

そもそも、虚空蔵とは無限の慈悲と知恵が収まっている蔵という意味があり、人々の願いごとを叶えるためにその蔵から知識や記憶力、知恵などを取り出し与えてくれるそうです。
ちなみに、弘法大師は虚空蔵菩薩の真言を100万回も唱えたと言われています。
密教において、虚空蔵菩薩は虚空蔵のご本尊とされており、月を表す大きな円光の中で蓮華の台座に座っており、右手を下におろして与願印を作っているのが特徴的。
また左手は胸の前に上げ、頭の上には宝冠を載せていることが多いです。

また、虚空蔵菩薩の特徴は右手に宝剣を持っていること。
この宝剣の先は丸みを帯びており、知恵を象徴した剣を意味しているそうです。
菩薩様でも特に有名な文殊菩薩は知恵の神様として知られていますが、これも知恵の象徴である剣を手に持っていることから、剣を手に持つ菩薩様は知恵と深く関係していることが分かります。
虚空蔵菩薩は左手に如意宝珠を持っているものや、宝珠の乗った蓮華を持っているものも多いです。
宝珠とは願いごとを叶えてくれる宝物として知られており、人々を救うための虚空蔵菩薩の大切な道具の1つです。
虚空蔵菩薩への信仰は奈良時代から盛んだったと伝えられています。
そもそも、虚空蔵菩薩は虚空が広く大きくさまざまなものを包み込んでいるように、多くの知恵や徳を備え人々にこれらの徳を与え、願いごとを叶える慈悲深い菩薩様だと言われています。